こんにちは!のーちです。
最近の日常点検で、クーラントの量が少し気になったため、思い切ってDIYで交換してみることにしました。
クーラントは継ぎ足しでも対応できますが、私のF30は中古で購入した車両なので、前回の交換時期や使用されているクーラントの種類が不明でした。そうした理由もあり、今回は補充ではなく、交換することに決めました。
実際に作業してみると、思ったよりも難しくなく、DIYでも十分に対応できる内容でした。
この記事では、クーラント交換の手順や必要な道具などを、詳しく紹介していきたいと思います。
- クーラントとは何か
- クーラント交換の必要性
- クーラント交換のやり方
クーラントとは
クーラントとは、エンジンを冷やしてオーバーヒートを防ぐための冷却液です。
エンジンは動いているとたくさんの熱を出します。この熱をそのままにしておくと、エンジンが熱くなりすぎるオーバーヒートを起こし、故障の原因になります。
そこで使われるのが「クーラント」と呼ばれる冷却液です。クーラントは、エンジンとラジエーターの間をポンプで循環しながら、エンジンの熱を外に逃がす働きをしています。
クーラントが足りなかったり古くなっていたりすると、エンジンをうまく冷やせずオーバーヒートしやすくなります。車を長く大事に使うためにも、クーラントのチェックや交換はとても大切です。
なぜクーラントを交換するのか
クーラントは、エンジンを適切に冷却しトラブルを防ぐために定期的な交換が必要です。
クーラントは時間の経過とともに含まれる成分が劣化したり、リーク(漏れ)によって液量が減少したりすることで、本来の冷却・防錆機能を十分に果たせなくなるからです。
クーラントには、凍結を防ぐ「エチレングリコール」や「プロピレングリコール」、内部の錆を防ぐ「防錆剤」などの添加剤が含まれており、これらが劣化すると、冷却性能の低下によるオーバーヒートや、錆によるラジエーターやウォーターポンプの損傷といったエンジントラブルのリスクが高まります。
また、クーラントが不足すればエンジンの熱を十分に逃がせず、深刻な故障につながる可能性もあります。こうしたリスクを回避するため、クーラントは一般的に2年または2万kmごとの交換が推奨されており、愛車を長く良い状態で保つには欠かせないメンテナンス項目のひとつです。
なお、車種や使用されているクーラントの種類によって交換時期は異なる場合があるため、必ず車両のオーナーズマニュアルを確認し、メーカーの推奨に従うようにしましょう。
F30のクーラント交換に必要なもの

BMW 320i(F30)のクーラント交換に必要なものとその使用目的について紹介します。DIYでの作業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- ジャッキ
- カースロープ
- ジャッキスタンド
- 輪止め
- クーラント
- 凝固剤
- 受け皿
- マイナスドライバー
- レンチ
- バッテリー充電器
- じょうご
- ピッキングツール
ジャッキ
F30のクーラント交換では、アンダーパネルを外す必要があるため、ジャッキアップが必要です。
特にMスポーツ車両はスポイラーにより地上高が低いため、ローダウン対応のジャッキを用意しましょう。

カースロープ
ジャッキアップの補助に使います
F30は中央のジャッキポイントが奥まっているため、スロープであらかじめ高さを上げておくと作業がスムーズです。
また、スロープ自体に高さがあれば、ジャッキアップせずに作業することも出来ます。

ジャッキスタンド
ジャッキアップした車両を安全に支えるために必要です。
ジャッキだけで車を支えるのは危険なので、必ずジャッキスタンドに移行しましょう。廃タイヤなどを隙間に入れておくとより安全です。
F30ではジャッキスタンドを車両サイドのジャッキアップポイントにかけて使うのですが、その時に専用のパッドが必要になります。そのため、スタンド先端がフラットなものがおすすめです。

輪止め
車両が動かないように輪止めを使います。
接地しているタイヤの前後に輪止め入れるので、4つセットで購入するようにしましょう。

クーラント
F30にはスーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)が使われています。私はアイシンの希釈不要タイプに交換することにしました。
F30にはクーラントが約8L入っているそうですが、1回で抜けるのは約4Lです。4L以上準備しておきたいので3本購入がおすすめです。
アイシンのスーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)は希釈する必要がなく、そのまま使えるのでとても便利です。
純正品は1.5Lで4,200円(要希釈)とやや割高で、精製水を用意する手間やコストを考えると、サードパーティ製の方がコスパが良いと感じました。
なお、クーラントには識別用の色がついているため、もともと入っていたものと同じ色の製品を選びましょう。

凝固剤
クーラントは有害物質のため、そのまま排水には流せません。
凝固剤を使って固めたうえで処分するか、新聞紙やボロ布に染み込ませて処分しましょう。
処分方法は地域によって異なりますので、事前に自治体に確認することをおすすめします。
私の地域では、「固めた後に燃えるゴミとして少しずつ出すように」と指示されました。

受け皿
クーラントを抜く際に下に置く容器です。こぼれた液が周囲に広がらないよう、十分なサイズを用意しましょう。

マイナスドライバー
パイプクランプを緩める際に使います。
長さの異なるドライバーがあると作業がしやすく、整備全般でも役立ちます。
レンチ(10mm)
アンダーパネルの脱着に使用します。10mmサイズが必要ですが、工具セットがあると便利です。

バッテリー充電器
F30では電動ウォーターポンプを作動させてエア抜きを行います。
エンジンをかけずにバッテリーだけで作動させるため、充電器または外部電源の接続が必須です。

じょうご
クーラントをサブタンクに注ぐ際に使います。こぼれ防止にもなるため、必ず用意しましょう。

ピッキングツール
ラジエーターホースのストッパーリングを外す際に使います。
専用工具があると作業が非常にスムーズになります。

クーラント交換のやり方
ここからはクーラント交換の手順を説明します。
- ジャッキアップ
- アンダーパネルの取り外し
- エアクリーナーユニットの取り外し
- ラジエーターホースの取り外し
- クーラント抜き
- ラジエーターホースの取り付け
- クーラント補充
- エア抜き
ジャッキアップ
まずはアンダーパネルを外すためにジャッキアップします。
F30ではクーラントをエンジンルームの下側へこぼすように排出しますので、アンダーパネルを外す必要があります。
私はめんどくさがりなので、カースロープのみで作業しましたが、作業性は非常に悪いのでジャッキアップすることをおすすめします。

アンダーパネルの取り外し
次にアンダーパネルを取り外します。

アンダーパネルはボルトで留まっていますので、サイズ10mmのソケットレンチで外していきます。

外したアンダーパネルです。汚れていたので後で掃除しておきました。
数え忘れたのですが、大体20カ所くらいで締結されています。
エアクリーナーユニットの取り外し
F30ではラジエーターにドレンがないため、クーラントを抜くにはラジエーターホースを取り外す必要があります。
ボンネットを開け、1番手前にあるのがエアクリーナーユニットです。

ラジエーターホースはエアクリーナーユニットの下にあり、エアクリーナーユニットを取り外さないとアクセス出来ないため、最初にエアクリーナーユニットを取り外します。
まずはマスフローセンサー(エアフローメーター)とボンネットオープナーのワイヤーが着いているため、これを先に外します。

次にホースクランプをマイナスドライバーを使って緩めておきます。

そして3か所あるゴムブッシュを外せば上側にエアクリーナーユニットを取り外せるのですが、運転席側のブッシュがなかなか外れない・・・。頑張って外すとこんな感じでエアクリーナーユニットがごっそり外せます。

このままだとエアインテークのホースが丸出しになってしまうので、ゴミが入らないようにウエスやテープで養生しておきましょう。

数日前にかなりの強風が吹いていたため、エンジンルーム内がかなり汚れています。今度はエンジンルームの洗浄もDIYでやってみたいと思います。
ラジエーターホースの取り外し
ホースを外す前に、サブタンクの蓋を開けておきます。減圧されていて蓋が堅くなっていることがありますが、時間を空けて少しずつ開けていけば大丈夫です。
ここまでくれば、あとはラジエーターホースを外すだけでクーラント抜きができますが、ラジエーターホースを取り外す前に、ホースの真下に受け皿を設置しておきましょう。ホースを外した瞬間にクーラントがこぼれ落ちてきます。
ラジエーターホースはストッパーリングでロックされていますので、まずはこれを外します。

上部の突起にピッキングツールを引っかけて真上に持ち上げると外せます。
このときにホースがどこまで入っているかを確認しておくと戻すときに安心です。(私は忘れました)
あとはホースを外すだけですが、これがかなりキツいです。上下左右に揺さぶりながら少しずつ外してきます。無理やり外すとラジエーターの樹脂部分を破損する恐れがありますので少しずつ無理せず外しましょう。
今回の作業はbanyさんのブログを参考にさせて頂いたのですが、私の車両はホースの本数が1本少なく若干不安になりました。年式やモデルで結構違いがあるかもしれません。banyさんもメンテナンスマニュアルとは違うと書いていました。

メンテナンスマニュアルもいつか購入しておきたいですね。ただ金額が高いのがネックです・・・。
クーラント抜き
ラジエーターホースを抜くとクーラントが出てきます。意外と勢いはありません。ジョボジョボといった感じです。
構造的に下のホース類にかかるは避けられません。この辺りのメンテナンス性は、やはり日本車に劣りますね。

受け皿で受けて、クーラントが止まるのを待ちます。10分くらい放置して様子をみると、まだちょろちょろクーラントが垂れていたので、合計で20分くらい放置しました。

受け皿が緑色のせいもありますが、かなり汚れて見えます。ラジエーターの下半分はまだ古いクーラントが残っているので、様子を見ながら定期的にメンテナンスしたいですね。
本当なら精製水でラジエーターのフラッシングをしたいところですが、手間と時間的に今回は断念しました。また時間があるときにやってみたいと思います。
抜いたクーラントは凝固剤を入れて固めます。固めるというよりも、ポリマーがクーラントを吸って膨らむという方が正しいですね。

固まるまでに結構時間がかかりますので、他の作業をしながら固まるのを待ちましょう。一袋で全て固めることができました。
ラジエーターホースの取り付け
ラジエーターホースを元に戻します。
取り外したときと同様に取り付けるときもかなりきついです。左右に揺らしながら少しずつはめていきます。
取り外すときにどこまで入っていたか確認するのを忘れたため、若干不安は残りますが、これ以上入らないところまで、差し込みました。
最後にストッパーリングを元に戻します。
クーラント補充
いよいよクーラント補充です。
サブタンクにじょうごを置き、クーラントをMAXの目盛りまで入れます。1本半ほど入れたところでMAXになったので蓋を締めます。

このあとエア抜きをするとタンクの液面が下がりますので、液面が下がらなくなるまで、クーラントの補充とエア抜きを繰り返します。
液面が下がらなくなり、MINからMAXの間になれば完了です。
エア抜き
エア抜きはバッテリーの電気を使うため、バッテリーが上がらないようにバッテリー充電器か外部電源を使います。
バッテリー充電器のプラス端子は、エンジンルームの運転席側にある赤い色のカバーを開けて、中の端子に繋げます。

マイナス端子はエンジンルームの運転席側、タイヤハウスの上にあるアースに繋ぎます。

バッテリー充電器をコンセントに繋げて、電源の供給を始めます。
ここまで準備ができたらウォーターポンプを作動させるためのコマンド操作をします。
まず初めにイグニッションをオンにして、ドライブモードがECO PRO以外になっていることを確認します。
次にヘッドライトをロービームでオンにして、エアコンを作動させて、最高温度、最低風量に設定します。
そのあと10秒以上アクセルペダルを踏みこむとウオーターポンプが作動しエア抜きが始まります。
ウォーターポンプが作動し、ポコポコ音を立てながらクーラントが循環していきます。
最初は液量が足りずに警告が出て終了すると思います。その場合はクーラント補充の手順に戻ってクーラントを継ぎ足してください。
2回目以降はエア抜きがが約10分くらいかかります。
エア抜き後のクーラント液面がサブタンクのMIN~MAX表示の間にあればエア抜き完了です。
まとめ
今回はBMW 320i(F30)のクーラント交換をしてみました。
ラジエーターホースの脱着が大変でしたが、それ以外は比較的順調に作業できました。
クーラント交換をディーラーやカー用品店にお願いすると、日本車で5,000円程度工賃がかかるようなです。F30ではアンダーパネル脱着が必要で、ラジエーターホースからのクーラント抜きになると10,000円くらい工賃を取られるかもしれませんね。
維持費を抑えたい方や、自分でメンテナンスをしてみたい人は是非試してみてください!
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