こんにちは!のーちです。
今回は、BMW 320i (F30) のヒューズボックスから電源を取り出す方法を紹介します。
- ヒューズボックスからの電源取り出し方法
- 電源の取り出しに必要な部品と工具
- 電源取り出しに必要なヒューズや配線の選び方
先日スマホのワイヤレス充電器を取り付けるために電源を取り出したで、その時の作業を記事にしました。
F30のヒューズボックスから電源を取り出すのは比較的簡単なので、参考にしてみてください。
ただし、日本車と比べると少し癖がありあますので、注意が必要です!
ワイヤレス充電器の取り付けは別記事にて紹介します!
ヒューズボックスから電源を取り出す理由は?
電源の数が足りない
車内で電子機器を使用するには、車から電源供給を受ける必要があります。しかし車内で電源供給ができるアウトレット数は限られています。
シガーソケットが代表的なアウトレットですが、多くの車種で1か所のみです。
すでに使用している場合や、シガーソケットと接続できないタイプの電源の場合は、追加のアウトレットを取り出す作業が必要です。
電源の出力が足りない
最近はUSBポートがデフォルトで付いている車も多くなってきましたが、出力が足りずに電子機器への電力供給が充分でないこともあります。
例えばスマホの急速充電には約2Aの出力が必要ですが、車内のUSBポートからの出力が1Aしかない場合などです。
この様に出力が足りないときには、車のバッテリーから電源を分配して、必要な出力を確保する必要があります。
車内をスッキリ見せたい
私は今回、スマホのワイヤレス充電器を取り付けるために電源取り出しをしましたが、車内の見た目をスッキリさせたかったのでヒューズボックスからの電源取り出しを選びました。
私のF30にもシガーソケットはあるのですが、センターコンソールの灰皿を開けたところにあり、そこを電源にすると灰皿が開いたままで見た目がダサいです。
また、センターコンソールの中にUSBポートもありますが、出力が低く急速充電に対応していないことと、位置的に配線が邪魔なため使用したくありませんでした。
ヒューズボックスから電源を取り出すと、好きな場所の電源を設置できるため、車内をスッキリ見せることができます。
電源取り出しに必要なモノ
BMW 320i(F30)でヒューズボックスから電源を取り出すために必要なものをまとめました。
今回はアウトレットとして、エーモンの2口USB-Cポートを取り付けています。
コンタクトピン
BMWでヒューズボックスから電源を取り出すのに必要になるのがコンタクトピンです。
正式な名称は「ダブルフラットSPコンタクト、タップ付き」という部品で部品No.は「6113 6937 069」です。(ちなみに英語の部品名称は「Dual Flat-Spring Contact」という名前です。)
BMWでは、この部品をヒューズボックスの裏側に差し込むことで、簡単に電源を取り出すことができます。
部品名称かNo.を伝えれば、ディーラーで購入することができます。金額は1本407円でした。私が利用しているディーラーでは在庫を持っていたので、すぐに入手できました。
配線
今回はエーモンのE576という商品を使用しました。こちらの商品はヒューズと管ヒューズが最初から接続されているので自作する手間がかかりませんし、価格もヒューズや配線の単品を買い集めるより安上がりでした。
配線は自作することもできます。その場合は配線、ヒューズホルダー、菅ヒューズ、ギボシ端子、端子カバーを準備してください。
ヒューズと配線は様々な種類がありますので、使用する機器のアンペア数で選定します。
今回は使用する電源ポートの最大出力が5Aなので、5Aのヒューズを選んでいます。配線は0.75sqで、この太さは6.6Aまでの電流に対応しています。
ヒューズを選ぶときは、「付ける電装品の合計アンペア数」を上回っていて、「配線の最大容量」を下回っていることを確認しましょう。
もっと詳しく知りたい方はこちらのサイトを参照してみてください。エーモンの社員さんが分かりやすく解説してくれています。
USBポート
今回私が取り付けたのは、こちらのエーモン製USB電源ポートです。
タイプC端子が2口あるタイプで、最大出力は2.5Aが2ポートで合計5Aです。PDに対応していて、急速充電も出来る仕様になっています。
配線にはギボシ端子のオスがついているので、ヒューズボックス側からの配線にギボシ端子のメスを圧着すればワンタッチで接続できます。
検電器
検電器はヒューズの電源状態や、配線接続後の通電確認に使用します。
ヒューズボックスの中には常時電源、イグシッションONで通電する電源、エンジン始動で通電する電源があります。これらを調べて、必要な条件のヒューズから電源を取り出すために、検電器をつかって電源状態を調べます。
電工ペンチ
配線をカットしたり被覆を向いたり、圧着する際に必要です。
今回使用する純正のコンタクトピンやギボシ端子は、オープンバレルと呼ばれる圧着形状になっていて、電工ペンチがないとしっかり圧着できません。
圧着がきれいにできていないと、配線が抜けたり接触不良になったりしますので、必ず電工ペンチで圧着しましょう。
今回使用したコンタクトピンは圧着するのに0.25サイズが必要なので、購入時には注意してください。
こちらの電工ペンチは小型端子対応で0.25サイズもありますので、おすすめです。
圧着の詳しいやり方はこちらのサイトが分かりやすいです。
10mmソケットレンチ(もしくはスパナ)
エンジンルーム内のカバーを外すときと、車内で助手席足元のカバーを外すときに使います。
様々なサイズがあるラチェットレンチセットがあると便利です。
マイナスドライバー
ヒューズボックスを取り外すときに使います。
ヒューズボックスの爪に差し込んで使用するので、小さいサイズの方が作業しやすいです。
電源取り出し方法
ここからは電源の取り出し方法を順番に説明していきます。
コンタクトピンを圧着する
実車で作業する前に、コンタクトピンを圧着しておきましょう。
はじめに配線の低背ヒューズ部分を切り離します。そのあと切り離した部分の被服を剥がし、ピンの圧着部に重ねます。導線部と被覆部の2か所を電工ペンチで圧着すれば完成です。
圧着がきちんとできているか確認するために、配線を軽く引っ張ってみましょう。きちんと圧着できていないと配線が抜けやすく危険です。上手く圧着できていると断面がハート型になります。
ヒューズボックスを開ける
今回電源をとるヒューズボックスはエンジンルーム内にあるので、まずはフードを開けましょう。
ヒューズボックスはエンジンルームの助手席側にあります。
フロントウインドウ下部にカバーがあり、このままだとヒューズボックスを開けられません。まずはこのカバーを10mmソケットレンチを使って外します。
印に沿って六角を回すとロックが外せます。ロックを外した状態でカバーを持ち上げれば取り外しできます。
ヒューズボックスの蓋はクリップを外せば開けられます。
今回はコンタクトピンをヒューズボックスの裏側から差し込むので、ヒューズボックス自体もマウントから外します。
右側面に突起部があるので、そこにマイナスドライバーを差し込むと簡単に外せます。
ヒューズの裏に配線が接続されている箇所は既に使用済みのヒューズです。
ヒューズ電源を調べる
今回はエンジン始動時のみONになる電源を探して、USBポートを接続します。
調べ方はヒューズ頭の金属部分に検電器を当てるだけです。検電器が光れば通電状態です。
検電器はアースをとる必要があります。なるべく未塗装の金属部分でアースを取るのが良いです。今回は近くのボルト頭でアースを取りました。
実際の作業ですが、まずエンジンOFF状態で通電を確認します。
次にイグニッションオンで、そのあとエンジン始動状態で同様に通電を確認します。
調べた結果、手前側左列のヒューズはエンジン始動時のみ通電していました。ちなみに右隣の列は全て常時電源でした。
接続するUSBポートの最大容量が5Aなので、ヒューズも5Aを選びます。今回は左から4番目のヒューズを使うことにしました。
コンタクトピンを差し込む
コンタクトピンを差す
調べた端子の裏からコンタクトピンを差し込みます。
BMWではコンタクトピンをヒューズに差し込むだけで電源を取り出せます。非常に簡単ですし、配線もスマートにできます。
結構奥まで差し込む必要があるので、マイナスドライバーなどを使って押し込みます。
切れ込みに突起が入るように差し込むようですが、押し込んでいる最中に突起が曲がってしまったので、私は切断してしまいました。とりあえず今のところは弊害はありません。
コンタクトピンが差し込めたら配線の通電を確認します。ヒューズのときと同様に検電器の先端をギボシ端子に接触させて光れば通電しています。
光らなかったら接続がうまく出来ていませんので、もう一度コンタクトピンの差し込みを確認しましょう。
配線を車室内に引き込む
通電が確認できたら配線を車内に引き込みます。
ヒューズボックスの下に車室内へ繋がっている穴がありますので、そこに配線を通します。
ヒューズボックス下の穴は、助手席のアンダーパネルを外すことで車内側から確認できます。
アンダーパネルのはずし方はこちらの記事を参照してください。
配線が確認出来たら車室内に引き込みます。
USBポートを取り付ける
引き込んだ配線にUSBポートを取り付けます。
USBポートはアースを取る必要があるので、近くのボルトに共締めしてアースを取ります。今回は助手席下のブラケットに共締めしました。
次に配線とUSBポートの接続ですが、今回使用したUSBポートと配線はギボシ端子のオスメスになっているので、ワンタッチで接続できます。
USBポートを接続したら、スマートフォンなどを繋いで通電を確認します。
無事に通電できていたので、アンダーパネルをもとに戻します。
今回はオプションのシガーソケット用穴に配線を通し、アンダーパネル下にUSBポートを取り付けました。
まとめ
ヒューズボックスからの電源取り出しは他の機器にも応用できます。今回はUSBポートを取り付けましたが、ドラレコなどの電源も同じ方法で確保できます。
シガーソケットから電源を取る方法より見た目がスマートなのでおすすめです。
BMWではコンタクトピンを使うことで簡単に電源を取り出せるのですが、320i(F30)ではフロントのヒューズボックス下に車室内への取り込み穴が開いており、配線の取り回しも楽です。
すこし道具が必要ですが、DIYのレベルとしては簡単なので、電源を増やしたい方は是非やってみてください!
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